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精米中に砕けず、早く精米できる米。
心白の大きすぎる米は概して砕けやすく、
酒米として必ずしも望ましいものではない。 -
蒸した米(蒸米)の表面が粘らず、捌けがよく扱いやすい米。
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麹菌が蒸米の内部へ深く侵入し繁殖できる米。
(破精込みがよいという) -
もろみで酵素により、よく溶ける米。(低温での消化性がよい米)
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できたお酒の色沢や香味を損ねる鉄分やタンパク質、脂肪が少ない米。
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特徴すべてを併せ持つ
酒米の王様「山田錦」「山田錦」は、このような酒造好適米(酒米)の特徴をすべて併せ持つことから「酒米の王様」と呼ばれています。
また、日本酒の最大の鑑評会である独立行政法人酒類総合研究所が主催する「全国新酒鑑評会」において、金賞受賞しているお酒における山田錦の使用率は80%を超えるという点も、王様と呼ばれる所以です。
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兵庫県からしか生産されない
特上山田錦一般的なコシヒカリなどの千粒重は22g前後であるに対し、「山田錦」は千粒重が約27g~28gです。良質の「山田錦」の米は少し細長く、粒が良く張って大きく、ラグビーボールの様です。
兵庫県以外でも全国各地で栽培されておりますが、全国の生産量の約7割が兵庫県で栽培されています。
もっとも質の高い「特上」の等級をもつ「山田錦」は、ほぼ兵庫県からしか生産されておりません。
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「山田錦」の米のデンプンはデンプン中のアミロペクチンの側鎖が短いため、消化性が優れております。
アミロペクチンはいくつもの枝に分かれ、その枝を側鎖と呼び、側鎖が短いと、消化性に優れております。側鎖は、稲の登熟期間の気温が低いと短くなり、高いと長くなります。「山田錦」は、10月に収穫できる晩稲(おくて)品種で、比較的低い気温条件で登熟します。その為、側鎖が短くなり、消化性に優れております。
「五百萬石」などの極早稲品種は、登熟期間の気温が高い為、側鎖が長くなり、消化性が悪く、溶けにくくなります。 -
「山田錦」の持つタンパク質は、麹菌の持つ分解酵素では分解されにくいタンパク質が多く、分解されてできるアミノ酸の量が少ないのです。また、分解されてできるアミノ酸の種類もアルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニンなどの苦味アミノ酸が少なく、他の酒造好適米(酒米)や一般米に比べ、ふくよかで広がりのある味わいに感じられます。
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全ての米に出荷証明書
龍力は、生産者の顔が見える契約栽培米を使用しているため、全ての米に出荷証明書があり、身元を把握しております。
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全量"酒造好適米"
・兵庫県特A地区産「山田錦」
※1 コウノトリを育む農法(コウノトリ餌場米100%使用)
・岡山県岡山市東区瀬戸町産「雄町」
・兵庫県多可郡多可町中区産「山田穂」
・兵庫県たつの市御津町中島産「神力」
・兵庫県豊岡市田鶴野地区産「五百萬石」※1
・兵庫県産「兵庫錦」※2
※2 温暖化対策品種
※2 温暖化対策品種
一般的に、酒造りには酒米よりも価格も安く、入手しやすい食用米が多く使われますが、
龍力で使用する米は全て"酒造好適米"(食用米ではなく、お酒造りに適した米)です。
特に山田錦米においては、一等級以上の特上や特等米をメインに
全量、最高品質である"兵庫県特A地区産"のものを使用しております。
龍力の神力
龍力の蔵よりすぐ近くの、御津町中島という村に「日本農業の先駆者・神力翁(丸尾重次郎)生誕の地」という看板が立っております。
龍力の使用する酒米「五百萬石」の先祖に「早生神力」という米が存在することから、そこに繋がりがあるのでは、と考えた龍力四代目・本田眞一郎。
調べてみると、明治10年、兵庫県たつの市御津町中島の農家・丸尾重次郎によって「神力米」が発見されたことがわかりました。
抜群の収穫量を誇り、全国に普及した「神力米」は食用米として供されたことはもちろんのこと"麹がつくりやすい""もろみが溶けやすい""酒に雑味を与える成分が少ない"という性質から
酒造好適米としても高い評価を得ておりました。
しかし、昭和初期、稲作形態の変化と、激しい品種改良の競争の中いつの間にか姿を消しておりました。
龍力の蔵の立つこの地に、酒造好適米の原点があることを知った四代目は当時"幻の米"となっていた「神力米」を、発祥の地にて復活させることが我が蔵の使命と奔走いたしました。
1992年、各関係機関ご協力のもと、神力発祥の地で。約百年ぶりに、神力米を復活させることに成功。
そして1994年「神力米」を原料に"龍力の神力"第一号が醸造されたのです。