山田錦の産地
兵庫県特A地区とは
特A地区は、今から2500万~200万年前までにできた地層だと言われております。
凝灰岩または頁岩が風化してできた粘土質の土壌です。
山田錦の産地には、昔から「酒米買うなら土地を見て買え」という格言があるほど、
良質の酒米がとれるかどうかは、産地の土壌や気候が重要であるとされてきました。
具体的には次の4つの条件が知られております。
良質の酒米がとれる条件とは
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東西の谷、または南北の谷
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日当たりが良いこと
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昼夜の気温差が大きいこと
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段差があり排水の良い
しかも粘い田圃
「山田錦」の産地にはこの条件にあった地域が多く、まさに地の利を得ております。
特に、下記の地図の色がついているところが特A地区のaと言われ、最高品質の山田錦が栽培される地域です。
社地区、東条地区、吉川町
テロワールを意識した酒造り
兵庫県にある社地区、東条地区、吉川町は最高品質の山田錦が栽培される
特A地区のaに選ばれております。
特A地区を大きく3つのエリアに分けると、
西から社地区、東条地区、吉川町となります。
その3地域の特性を龍力が持つ経験と、
テロワールの研究分析結果をもとに考察しました。
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社地区の下層土壌は、イライトという粘土鉱物や砂岩、礫が多く含まれ、水はけがよく、水田に特徴的な灰色やオレンジ色の斑紋が見られず、全体的に褐色を呈しています。気候条件は最高の地ですが、土壌の優位性は見当たりません。このことから、栽培環境はベストで、土壌からくる影響が少ない為、「山田錦」の品種としての味わいがでると考えております。「山田錦」の品種としての味わいとは、「甘みがあり、苦み、渋みが少ない」ということです。その為、お酒にした時の味わいは、香りが穏やかで口当たりが柔らかく、まろやかさを感じるお酒となります。 北緯:34°55' 54.6"
東経:135°00' 8.9"
海抜:130m
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東条地区の土壌は、表層から下層まで一貫してスメクタイトを主とした粘土層です。礫はほとんど見当たらず、活発な稲の根による糸根状のオレンジの色の斑紋が表層から下層深くまで見られます。データによるとCEC(土壌の保肥力)の数値が高く養分が多く含まれている土壌であることがわかり、秀でた栽培土壌のすばらしさを感じます。そのことから、香り、味わい、酸、余韻のバランスが良く、全体的に滑らかさを感じるお酒になります。その味わいの全てが高い水準にあり、長期熟成にも耐えうるお酒になると考えられます。 北緯:34°55' 35"
東経:135°04' 49"
海抜:177m
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吉川町の土壌は、K(カリウム)やMg(マグネシウム)を多く含み、CEC(土壌の保肥力)の数値も高く、地力の強いエリアです。土壌標本(モノリス)の採取時、土壌が還元状態であるため、粘土が青灰色をしており、強い養分がある事がうかがえます。地中深くまで活発な稲の根による、糸根状の斑紋が見られます。お酒は、数値では測ることのできない官能的に感じる酸がしっかりとあり、全体的に濃厚な味わいとなります。大吟醸など香りの高いお酒や、生など酸を大事にする味わいの厚みのあるお酒に向いています。 北緯:34°52' 24"
東経:135°7' 13.9"
海抜:168m
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社地区の下層土壌は、イライトという粘土鉱物や砂岩、礫が多く含まれ、水はけがよく、水田に特徴的な灰色やオレンジ色の斑紋が見られず、全体的に褐色を呈しています。気候条件は最高の地ですが、土壌の優位性は見当たりません。このことから、栽培環境はベストで、土壌からくる影響が少ない為、「山田錦」の品種としての味わいがでると考えております。「山田錦」の品種としての味わいとは、「甘みがあり、苦み、渋みが少ない」ということです。その為、お酒にした時の味わいは、香りが穏やかで口当たりが柔らかく、まろやかさを感じるお酒となります。 北緯:34°55' 54.6"
東経:135°00' 8.9"
海抜:130m
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東条地区の土壌は、表層から下層まで一貫してスメクタイトを主とした粘土層です。礫はほとんど見当たらず、活発な稲の根による糸根状のオレンジの色の斑紋が表層から下層深くまで見られます。データによるとCEC(土壌の保肥力)の数値が高く養分が多く含まれている土壌であることがわかり、秀でた栽培土壌のすばらしさを感じます。そのことから、香り、味わい、酸、余韻のバランスが良く、全体的に滑らかさを感じるお酒になります。その味わいの全てが高い水準にあり、長期熟成にも耐えうるお酒になると考えられます。 北緯:34°55' 35"
東経:135°04' 49"
海抜:177m
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吉川町の土壌は、K(カリウム)やMg(マグネシウム)を多く含み、CEC(土壌の保肥力)の数値も高く、地力の強いエリアです。土壌標本(モノリス)の採取時、土壌が還元状態であるため、粘土が青灰色をしており、強い養分がある事がうかがえます。地中深くまで活発な稲の根による、糸根状の斑紋が見られます。お酒は、数値では測ることのできない官能的に感じる酸がしっかりとあり、全体的に濃厚な味わいとなります。大吟醸など香りの高いお酒や、生など酸を大事にする味わいの厚みのあるお酒に向いています。 北緯:34°52' 24"
東経:135°7' 13.9"
海抜:168m
土壌研究への情熱。テロワール考察
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「山田錦」とテロワール
龍力醸造元3代目本田武義(享年86歳)は、晩年「山田錦」の土壌研究に情熱を注ぎました。本田武義は亡くなるまでの約20年間、京都大学大学院農学研究科土壌研究室にて研究を行い、山田錦栽培地域の土壌を加古川、東条川、美嚢川の集水域別に土壌の特性をとらえました。
以下は会長の研究結果です。
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米中のMg(マグネシウム)の含有量は、お酒のキレと苦みに影響する。
社(やしろ)地区を含む、a,c,b,d地域の粘土鉱物はイライト※1が主です。東条(とうじょう)地区、吉川(よかわ)町があるe,f地域の粘土鉱物は、スメクタイト※2に区分されます。河川の地域ごとに粘土鉱物が異なるのは、河川の上流の地質の影響と考えられます。
e,f地域はCEC※3が大きく、Mg(マグネシウム)含量も極めて多いです。各地の土壌と比較し、他の地域が全窒素含量とあわせて3~5%であるのに対し、e,f地域の東条地区、吉川町の地力は大幅に上回っています。また、酒とMg(マグネシウム)の関係性についても研究しており、米中のMg(マグネシウム)の含有量は、お酒のキレと苦みに影響するという結論を出しています。
研究をするほどに、土壌の下層部がどのようになっているのかに疑問を抱き、龍力醸造本田商店では土壌標本(モノリス)を作成しました。その結果、環境の違いや、栽培土壌の違いをはっきりと目に見える形で表す事に成功しました。 -
※1. 粘土サイズの雲母鉱物である。粘土鉱物(フィロケイ酸塩鉱物)
※2. 膨潤性の粘土鉱物の総称。その結晶構造から、水を吸収するとふくらむ性質をもち、またイオン交換性が高い。モンモリロナイトなどがある。
※3. CECとは土壌の保肥力のこと。大きければそれだけ養分を蓄えられる
「兵庫県産山田錦」が別格とされる理由
山田錦は日本の幾つかの地域で生産されておりますが、 なかでも
「兵庫県産山田錦」が別格とされる理由のひとつに、テロワールがあります。
標高が高い山間棚田地帯であり、昼夜の気温較差が大きく降水量が少ない。
また、2-1型スメクタイトと呼ばれる黒粘土の土壌。
これらの理想条件を全て兼ね備えた地が、兵庫県の特A地区なのです。
特A地区の山田錦の特徴
これらの特徴により、雑味が少なく、味、香り共にふくよかで農醇、酒質のバランスが良く、 味わいに幅のあるお酒となります。
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大粒
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心白が中心部に鮮明に出ている
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タンパク質、脂質が少ない
最高品質と言われる"兵庫県産山田錦特A地区"の中でも、
さらに土壌条件の良い農家との専属栽培契約
最高品質と言われる
"兵庫県産山田錦特A地区"の中でも、
さらに土壌条件の良い農家との
専属栽培契約
龍力は"良い酒造りは、良い米作り"
という信念のもと
最高品質と言われる山田錦特A地区の中でも、
さらに土壌条件の良い農家との、
全国初となる専属栽培契約を行い、
有機肥料・低農薬・への字栽培・稲木架け自然乾燥など、農家と共に
最高の酒造好適米づくりに取り組んでおります。